【香港ローカル ニュース Vol. 18】

11月24日の区議会選挙で、民主派が全18区のうち17区で圧勝するという結果が出てから1週間が過ぎ、アメリカでの『香港民主人権法』がトランプの署名で発効するなどして、香港ではまたデモ抗議活動が始まりました。

香港で起こっていることに対して、内政干渉として突っぱねようとする社会主義国家である中国の中央政府と、民族文化の面では同じ根をもちながら華南文化の中でも独自の個性(広東語を母語とする嶺南文化)を自慢とする香港の人々との間で、政治体制の違いや政権の合法性などを問い直す方向へ人々の意識が向けられています。

~香港政府 これまでに大学3校からの約16億香港ドルの予算編成申請を留め置きに~

‎【NOWニュースチャンネル】2019年11月29日 15:08‎付の報道から

先ごろから大学3校から申請されていた拡張工事などの予算請求が香港政府により留め置きにされていたことがわかった。民主派議員複数からは建制派(親中・保守)が、先般のキャンパスでの警察との衝突があった大学に圧力を掛けようとしたものだと批判が出ている。これに対し香港政府は「今回の予算請求留め置き措置は議員ごとに異なる配慮が生じていることによるものであるとしており、永久申請却下したのではない」と強調。

立法議会財務調整委員会は会議を開いたが、民主派議員複数名が先頃大学3校から申請のあった施設拡張などの工事予算請求を香港政府が留め置きにしていることを不満とした。この予算の多くは医療訓練などに関連のある施設であり、政府が建制派の圧力を受けたものではないか疑念が持たれている。建制派議員からはこの懸念に反発する声もあり、そもそも政府が申請をどのように差し戻すにしても立法議員にとって審議の対象ではないとした。

<<NOWニュースチャンネルの動画では、立法議会での1コマが紹介されており、女性議員の黃碧雲(グリーンの上着の女性議員)が「日頃われわれは香港の医療従事者が不足していることには同意をしているが、民建聯の蔣麗芸さんたちに伺いたい、医療に関連する大学の付属施設建設の予算編成などは、まさにそのような事例ではないか?」と名指しで質問を投げかけ、それに対し、民建聯の蔣麗芸(白地に黒の横縞のシャツに黒の上着の女性議員)が「医療従事者云々よりも前に、そうした大学が先日の騒動で大損害を食らっているというのが現実ではないですか」と問い返すシーンが映し出されている>>。

財務調整委員会の議事スケジュール管理の責任を負う財経事務・歳入局の指摘によれば、その他の政策当局が予算請求の申請を適切な時期になってから改めて提出するよう要求しているからだという。

香港政府はこれまでに合計約16億6千万ドルの申請を留め置きにしており、これに含まれる内容には、香港中文大学が地下鉄大学駅と吐露港(トロ・ハーバー)高速道路の沿線に建設予定の時価6000万ドルの授業棟、香港大学が予定している時価2億ドルの医学棟ビル拡充、理工大学の時価14億ドルのキャンパス拡大工事などの予算編成項目がある。3つのいずれも既に設計施工チームからの予算請求は承認されていた。

出典:

https://news.now.com/e9b1d33f-97fb-4526-a906-fc147377ef57

~【動画サイトへのアクセス多数】「初心忘るべからず」と人々は街角へ 警察は尖沙咀(チムサーチョイ)黃埔(ワンポア)で催涙弾を発射~

Yahoo!ニュースに転載された 眾新聞 CitizenNews の2019年12月02日の記事から 

(尖沙咀Tsim Sha Tsuiチムサーチョイのスターフェリー乗り場から文化センターまで埋め尽くす群集)               

区議会選挙から1週間、ネット民は土曜日午後3時から「初心を忘れるな大行進」を呼びかけて、尖沙咀(Tsim Sha Tsuiチムサーチョイ)の時計塔から紅磡體育館(Hong Kong Colliseum ホンハムコロシアム)までを歩いた。事前に警察から反対なしの通知書を受けたデモであったが、行進終了前に、警察から何度かデモ隊に向かって胡椒スプレーや催涙弾が発射され、また数名の逮捕者が出た。


アメリカで『香港人権民主法案』可決の後、街頭で米国国旗をまとう人。画像:AP通信社

暴徒制圧武装警察のやり方に中指を立てる抗議を示すデモ参加者

土曜日午後2時ころから、大勢の市民がチムサーチョイの時計台付近に集合し始め、「五大要求、一つも欠けさせるな」、「香港人の報復」などのシュプレヒコールを挙げて、道行く市民に呼びかけた。参加人数が多すぎて、行進が前に進まないため、一部の群れは離れるとともにソーズベリーロード(ペニンシュラホテルの前)の車線まで埋め尽くした。


この人々は、最前線にいた「手足」身内を忘れていない。撮影:林倩茹

五大の要求(五大訴求)は、いまだ勝ち取るに至っていない。撮影:林倩茹

午後4時ころ、警察は警告の青いプラカードを何度も掲げ、その現場にいた人々は不法集会に参加していると警告。するとある者は警官をののしって「黑警死全家~ブラックな警察は一家全員死ね」などと野次った。さらに踏み込んだ行動がないまま、午後4:48、多勢の警察速龍[Special Tactical Squad 特殊戦術チーム、俗称:(ヴェロキ)ラプター]が突如ネイサン・ロードからソーズベリー公園に突進してきて人を追い払った。その間に胡椒スプレー、催涙ガス弾を発射し、少なくとも2人の身柄を確保。しかしデモの反対なしの通知書に届け出た時間はまだ終わっていなかった。

午後5時ごろ、デモ参加者たちがデモ終点であるホンハムのコロシアム付近の国際都會=置富都會Fortune Metropolis モールの向かいと、それにつながる陸橋を離れようとしたとき、大勢の武装鎮圧部隊(STS)が現れて胡椒スプレーを発射しながら、違法集会に参加していると糾弾。まもなく、置富商場(=フォーチュン・メトロポリス・モール)の高層階から誰かが警察隊に物を投げたため、警察は大挙してモール内に突撃し、モール内は混乱に陥り、エスカレータに押し寄せた。警察隊はまもなく停止し、現場を離れた。この過程で一人が身柄確保されたが、その原因は不明である。

そのほか、午後5時頃、暴徒制圧武装警察が地下鉄尖東站(チムサーチョイ・イースト)の外で青い旗(催涙弾などの使用)を掲げ、駅構内にて胡椒スプレーを散布した。女性がひとり警察に胡椒スプレーを使わないでと懇願したが、その直後に警察に小突かれて倒れた。

警察の発表では、午後のデモは一部の過激なデモ参加者がソーズベリーロード、またモディロードの花壇を過ぎた際、警察に向かってレンガを投げる者があったという。午後5時近く、数百名の「暴徒」がソーズベリーロードの帝國中心(エンパイア・センター)あたりに集結を始め、その中に煙霧餅(大型の発煙剤の塊)を投げつける者があり、公共のパニックを引き起こし、現場は極めて混乱かつ危険な状態になった。現場状況に応じて警察は止む無く、(催涙ガスの発射も含めて)最低限必要な武力を使って違法行為を止めさせたとの事である。[ここまでの状況は警察の発言]

デモが終わってからも、黃埔の交差点入り口に障害物を敷く者があり、警察がその排除に来ると、德康街 Tak Hong Streetなど複数個所で青旗を掲げながら前進していたため、沿道からは「プライベートな場所だ、非合法集会になるか?」、「日曜日に町を歩くこともだめなのか!」などと大きな声がかかり、さらには汚い言葉(英語ではFxxx your Mxxxxに当たる四文字熟語)で警察を罵る声も上がり、警官側も感情的になって言い返す場面も見られた:「てめえの女房やお袋まで、かまってられるか」「頭おかしんじゃねーか、てめえにゃお袋いないのか?」

警官がデモ参加者を追って黃埔花園(Whampoa Garden ワンポアガーデン、88棟の住宅ビル群が広がる民間のハッチソングループがデベロッパーとなって開発された住宅団地。在港邦人の居住者も多い)の中庭部分に入り込み、同団地の11期の第9棟付近に止まっていると、一人の西洋人が警察に向かって「Private property!」(私有物件だ!)「{広東語で}走啦!」(ちゃうら!=出て行け!)」「Trespassing!」(部外者立ち入り禁止だ!)「lawbreakers!」(法律違反者だ!)と声を上げた。ある警官は人物を覚えていて、その西洋人男性に、「またあんたか」と言うものがいた。

また別の警官の群れは黃埔の交差点入り口で警戒に立っているものもあり、歩道部分を移動するものもおり、付近住民が取り囲むように眺めていた。黃埔西区議員の鄺葆賢 KWONG Po-yin [所属政党:西九龍新動力]が街角前方に立ち、付近住民の不安感を留めて、事態をエスカレートさせないために、警官の立ち入りを牽制しようと「你唔好行埋黎!」(これ以上近寄らないで!)と声を上げると、警官も後退を始めた。そばにいた付近住民も「民意だ」「民意の代表だ」と叫んだ。警察側は鄺葆賢に話すのを止め法律遵守するよう要求した。そこへセキュリティー職員がひとり駈け付けて「介唔介意彈反出去少少?」(もうちょっと外へ戻ってもらえませんか)と言うと、警官は少しずつ敷地から後ろへ下がった。

警察側が撤収しようとした時にも、パトカーの前方にたった警官が青旗を掲げた為、多勢の住民が警官を後ろから罵った。物を投げつける者もいた。警察は続いて黒旗・オレンジ旗を掲げるとともに、催涙ガス弾を発射して現場は煙に包まれた。ガスを吸って気分を悪くするもの出たが、警官はその後パトカーに乗ってその場から離れた。

夜9時ごろ、警官が黃埔の交差点に戻ってきて、数回催涙ガス弾を発射した。民主党の立法会の現任議員の許智峯が現場に駈け付けると、警察に武器の使用をしないよう呼びかけた。女性警官の一人は情緒激高して、何度か報道陣に向かって胡椒スプレーを吹き掛けた。さらに近距離から許智峯氏へ指差して警告を示した。まもなく、市民が数人しか集まっていない街角に向けてオレンジ旗を掲げて突進し、撤収の前にもさらに数発催涙ガス弾を発射した。

警察側の述べるところでは、晩8時ごろ、マスク着用の「暴徒」が黃埔(ワンポア)区でランダムな破壊行為をしていたという。マスクをしている「暴徒」は紅磡道(ホンハム・ロード)、德民街(Tak Man Street)などの車道の真ん中に障害物を置くとともに、店舗に入り中の施設を破壊したという。夜になっても、この他、黃埔区で引き続き「暴徒」が破壊行為・交通妨害をしたり、民泰街(Man Tai Street)では道行く市民を襲撃したりして、公共の安全秩序を害していたという。警察側が現場の処理をしている間も付近の「暴徒」からレンガを投げつけられ、現場の警官にも住人にも身の安全が脅かされたため、他に止む得ない状況下で催涙弾の使用を含む最低限必要の武力で暴徒を追い払ったという。

以下の動画では許智峯議員が、警官から「芝居がかったことしてんじゃねーよ」「クズ議員が」と罵られているところが含まれています:

出典:

https://hk.mobi.yahoo.com/news/%E5%A4%9A%E7%89%87%E7%BE%A4%E7%9C%BE%E6%AF%8B%E5%BF%98%E5%88%9D%E5%BF%83%E7%BA%8C%E4%B8%8A%E8%A1%97-%E8%AD%A6%E5%B0%96%E6%B2%99%E5%92%80%E9%BB%83%E5%9F%94%E6%94%BE%E5%82%AC%E6%B7%9A%E5%BD%88-231302070.html