【香港経済を追え vol. 38】

香港トップ10の大型マンション群の売買取引が活発化。

月あたりの成約件数が二割増しに

■天水圍嘉湖山莊Kingswood Villas, Tin Shui Waiは1月に57件の売買契約を記録しており、そのうち二件は550万ドルという破格値を記録。

【アップルデイリー記者より】

大手不動産会社であるCentaline 中原のトップ10マンション(民間開発の住宅ビル群“屋苑”)についての1月データによると、352件の売買が成約しており、12月の282件から大幅に24.8%の伸びを示し、2014年12月以来、6年ぶりの最高記録となった。不動産売買市場に景気が戻ってきた様子。トップ10のうち、8つのマンション群(屋苑)で成約件数が前月より伸びており、上昇幅は8.3%から80%とさまざま。

具体的には天水圍嘉湖山莊(Kingswood Villas, Tin Shui Wai, 新界西北)と沙田第一城(City One, Sha Tin, 新界中部)の成約件数がもっとも多く、それぞれ57件・50件、前年同月比では29%・19%の伸び。Kingswood Villas では二つの住宅物件で550万香港ドルという破格値の成約額が出ている。二件とも嘉湖山莊Kingswood Villasの景湖居 Kenswood Court(第七期) で、第13棟の高層階E室、実用面積446平方フィート(約12.5坪)、フィート当たり単価が12,332香港ドル(約16万6千円)。当物件のここ数年来の最高新記録。※香港での実用面積には共用部分のエレベータから玄関口までの通路と出窓の平面部までを含みます。

沙田第一城は価格・取引量も上昇

1月はトップ10のうち8つのマンション群で大きな価格上昇を記録しており、その中でも沙田第一城City One, Sha Tin〔上掲画像〕の上げ幅が最大で、1月平均では平方フィート単価17,319香港ドル〔約23万円〕。前月12月比で4.2%の上昇で、価格・成約件数とも伸びた。鰂魚涌太古城〔Tai Koo Shing, Quarry Bay〕、觀塘麗港城〔Laguna City, Kwun Tong〕、紅磡黃埔花園〔Whampoa Gardens, Hung Hom〕及び東涌映灣園〔Caribbean Coast, Tung Chung〕では売り価格がみな3%超の上昇を見せた。不動産仲介の中原Centaline Realtyの陳永傑いわく、1月期の市況は明らかな活発化を見せており、これにはワクチンがまもなく香港でも供与され、経済活動が正常に戻る期待が高まっていることが考えられる。さらに、世界各国で金融緩和・低利息政策を行うことは住宅物件不動産市況に有利に働いている。同時に株式市場も急増中である影響を受けて、一部の資金は現金から資産購入に向かっている。多くの新規物件では購入倍率が記録的な数字を出し市場の反応は非常に熱いため、買い手が市場に戻る後押しをしており、これまで取引を控えていた投資目的の個人が大量に中古物件を求めて、旧暦の新年が始まる前に市場に入ってくると思われる。

■City One 全体の間取り平面図と単価の一覧(ネット上の資料)

中原Centralineの趙鴻運氏は「太古城の1月取引は45件が成約しており、先月の25件に比べて80%増、平均単価は19,144香港ドル〔約26万円〕、取引件数は2019年3月以来の最高数となった。投資者の活動が再び活発になり、紫樺閣(Oak Mansion, Tai Koo Shing Harbour View Gardens)中層階B室は、賃貸契約をつけて2,208万香港ドル、平方フィート単価19,420香港ドルで売りに出され、長期の投資目的の買い手がついた。」と説明した。

同じく中原Centalineの范偉康氏が述べるのには、「映灣園Caribbean Coasts, Tung Chung(東涌Tung Chungは、香港国際空港に最も近い郊外住宅区)は1月に43件の成約があり、ここ8年来でもっとも売買が活発な月となった。平均単価が11,635香港ドルで三ヶ月で最高額で、前年比で3%上昇。さらに同社の譚桂貞さんが紹介するところでは、將軍澳Tseung Kwan O〔新界東端〕では1月の中古物件成約数が333件で、そのうち個人所有物件が277件を占めており、売買活動が活発な上、八ヶ月以来の新記録となった。昨年5月のピーク361件に迫る勢い。1月末の時点でまとめれば361件を超える可能性が大きい」とのこと。

ニュースソース:Apple Daily 電子版  更新時間 (HKT): 2021.01.30 02:00

https://hk.appledaily.com/finance/20210130/O5XHRG5Q5NB77HL54W7W6RNPOY/?fbclid=IwAR2LxhLSsF8Y2MkyeX6SzHXJMM40Zsfskh1lG4U7Q8aVvdjeVvgRzMlizSc

☆香港の鉄道網の発展を、台湾のYouTuberが豊富な画像を交えて北京語で説明しています。ビデオには去年12月5日アップロードのもので、英語字幕もあります。不動産関連のニュースの時には、鉄道・地下鉄の路線の駅名が出てきますので、駅が香港のどの辺に位置するのか、香港の地理に詳しくない方にお勧めです。