農村出身の大学生が「蜜雪冰城」起業 香港の街に長蛇の列

今や不況に悩む香港のレストランや小売業界で、異彩を放つアイスクリーム・ドリンクチェーン店「蜜雪冰城」。中国国内だけでも36,000店舗ほどと、スターバックスに次ぐ国内最大チェーンとして君臨しています。22年に東京の表参道、23年には香港へ上陸するなど、世界展開にも成功している企業です。

香港では約10店舗(24年12月現在)で、今後も増える見込みとされ、注目を集めていますが、その人気ぶりは街中を歩いていると一目瞭然。店舗の周辺では昼夜問わず長蛇の列を見てとることができます。

人気の理由とは?

すべては「コスパのよさ」の一言につきます。

写真のアイスクリームがなんとHKD5(100円)。そのほか、ドリンクがHKD10(200円)前後と香港の物価の常識を逸脱した価格設定です。

現在の香港人口の中で一番多いとされる低~中所得層のニーズを同社はしっかりととらえたわけです。それにしても香港の場所代は高いので、低単価で売り上げをあげるにはよほどの努力が必要と思われます。

農村出身の学生「張紅超」が起業

1997年、ひとりの青年、張紅超が河南財經政法大學を卒業後、小さなかき氷屋を創業したことからサクセスストーリーが始まります。両親は農夫で、彼自身は中学を中退後バイク修理などをしてアルバイト生活を続けていたようです。

一日100元の売上があればいい方だった創業当時では考えられませんが、23年の9カ月で58億杯のドリンクが売れ、150億元の売上があったといいます。

HPより抜粋

同社の転機は2007年。それまでは学生食堂のようにチャーハンなども提供していた形態を、アイスクリームやドリンク店として転身し、加盟店を募集しました。一年のうちに加盟店は36店舗へと成長していきます。2018年にベトナムへ進出、以後インドネシアやシンガポール、日本へと門戸を広げていきました。

創業時の張紅超の姿は、中国が生んだ実業家ジャック・マー(馬雲)の姿を彷彿とさせます。
張紅超は寝る時間を惜しんで商品開発に取り組みました。ここ香港ではスタートしたばかりですが、土地代・人件費の高さをどのようにクリアしていくかが課題となるでしょう。

参照:

https://www.mxbc.com/

https://news.futunn.com/hk/post/36179814/from-migrant-workers-to-the-retreat-as-progress-of-the?level=1&data_ticket=1734505607287225