【香港ローカル ニュース Vol. 27】

武漢で始まった、これまでになかった肺炎の元凶、新型コロナウイルス「2019-nCoV」は旧暦の正月休みの最中の1月下旬から急に話題に浮上したかと思うと、あっという間に大型連休を利用する中国人の移動と共にアジア・北アメリカを中心に広まりました。香港でも死亡患者が出ています。香港の小中学校は現在、来月3月16日まで休みが延長され、またほとんどの官公庁は2月23日まで休みが延長されています。また、陸路で人々が徒歩で香港と中国内地を越える国境は封鎖されました。「香港国際空港」「深セン湾」「香港・珠海・マカオ大橋(港珠澳大橋)の香港側出入境ポイント」が現在まだ開いています。

この新型肺炎がどう香港の経済活動に影響しているかを、2月3日月曜日の市場反応から見ていきましょう。

○香港の各銀行が営業時間変更や一部支店の営業停止を発表

○大陸との人の出入りを停める封鎖を行なわない香港政府に医療従事者がストライキで抗議

○香港内での感染者が現われ、感染爆発への警告が呼びかけられる


【武漢肺炎】香港全域で12の主要銀行が営業時間を変更、各行の詳細

武漢の新型肺炎は依然香港でも猛威を振るい、小中休校に続いて、公務員も自宅勤務を命じられている。一部の銀行は顧客と従業員の健康と安全のため、各地域の支店の操業停止を発表している。これには、香港人がよく使う、HSBC香港上海銀行、恒生ハンセン銀行、中国銀行が含まれている。銀行に行く香港市民は、事前のチェックが必要。

滙豐銀行 HSBC香港上海バンク

2月3日(月曜日)から香港・九龍・ニューテリトリーで合計24の支店が営業停止。

渣打香港 スタンダード・チャータード銀行

2月3日(月曜日)から、香港・九龍で合計13の支店が営業停止

中國銀行

写真:asianbankingandfinance

2月1日(土曜日)から、香港全域49の支店を、別途発表するまで営業停止。

恒生銀行 ハンセン銀行

2月1日(土曜日)から、営業時間を別途発表の時まで午前9時から昼の12時までに縮小。2月5日(水曜日)までに一部の支店を営業停止。これには18の店舗と、地下鉄構内の10の支店、3のビジネスバンキングセンターの営業を含む。

星展香港 DBS(シンガポール開発銀行)

2月3日(月曜日)から、別途発表までグループ内の13の支店のカウンター業務を停止。これが適用される支店は:淘大廣場(アモイ・プラザ)分行、銅鑼灣(コーズウェイベイ)分行、長沙灣廣場(Cheung Sha Wan Plaza)分行、跑馬地(ハッピー・バレー)分行、九龍分行、馬鞍山分行、北角(ノースポイント)分行、皇后大道東分行、上水Sheung Shui分行、太古城Tai Koo Shing分行、統一中心ユナイテッド・センター(アドミラリティ)分行、西環Sai Wan(ケネディタウン)分行、油麻地Yau Ma Tei分行。

大新銀行 Da Sing Bank

2月3日から2月8日までの期間、各支店の営業時間を午前10時から午後3時に短縮。

東亞銀行 Bank of East Asia

2月1日(土曜日)から、20の支店が営業停止。香港各地区のATMには影響なし。

交通銀行 Bank of Communication

香港全域で8の支店を別途通達まで営業停止:Nina Tower(荃灣)資産運用センター、太古城Tai Koo Shing、筲箕灣Shau Kei Wan、調景嶺Tiu King Ling、尖沙咀Tsim Sha Tsui、長沙灣廣場Cheung Sha Wan Plaza、荃灣Tsuen Wan, および三聖邨Sam Shing Estate (屯門Tuen Mun ニュータウン)。

招商永隆China Merchant Wing Lung

2月1日(土曜日)から、グループ内の10支店を別途発表まで営業停止:西区(ケネディタウン)、フォートレスヒル、西灣河Sai Wan Ho、紅磡Hung Hom、沙田廣場Sha Tin Plaza、上水Sheung Shui、屯門Tuen Mun、高鐵香港站(中国への高速直通列車の香港駅、オースティンロード)、太子Prince Edwardおよび深水埗Sham Shui Po.

中國建設銀行

2月1日(土曜日)よりグループ内の15の支店を別途通知まで営業停止。

工銀亞洲 中国工商銀行
2月3日(月曜日)から14の支店を別途通知まで営業停止。

集友銀行  Chi Yu Bank
2月3日から2月7日まで、支店全体の営業時間を月~金は午前9時から午後3時までに短縮。土曜日は現状維持。

資料ソース:各主要銀行

出典:play eat easy


医療看護労働組合が月曜日から段階的なストライキ実施
医院管理局は重大事故調整センターを始動

労働組合は患者に影響を与えることを謝罪する一方、香港を大陸と遮断しなければ香港を救うことは他に方法がないと強調。手に掲げている標語は左から「ストライキは香港を救うため」「症状に応じた対処を」「封鎖が香港を救う」(撮影:任浩鋒)

「醫管局員工陣線」Hospital Authority Employee Alliance(医療従事者の労働組合)は月曜日に緊急サービスではない分野からストライキの初発を始めた。一般外来と専門医医療などの会員約3,000人が参加。もし政府当局がボーダー全面封鎖などの要求に応じない場合は、さらに6,000人の組合員を火曜日から金曜日にかけて投入する。

政府側の医院管理局は、月曜から重大事故調整センターを始動してストライキ活動に対処し、非緊急のサービスの再割り当てを始め、緊急サービスへの人手確保をしている。

医院管理局の行政総裁 高拔陞氏は、ストライキをしないように組合員に呼びかけた。理由は患者へのサービスに影響が出ること、他の同僚にさらなる負担を強いることを挙げている。ストライキに参加した医療従事者に後日処罰が下されるか否かについては、従業員各自が自分の行動に責任を負うべきだとしている。

出典:rthk.hk  香港電台網站中文新聞 2020-02-03 HKT 01:20
https://news.rthk.hk/rthk/ch/component/k2/1506252-20200203.htm?spTabChangeable=0


黃埔(ワンポア)の患者は72歳の母親に伝染させる 地元コミュニティーにも蔓延か?

黃埔花園(ワンポア・ガーデン)のマンション群で新たに感染が確認された患者が、マーガレット医院へ治療のため搬送される(撮影:張家豪)

【アップルデイリー記者】武漢新型肺炎の感染は拡大しており、香港での感染確認例は2月3日月曜日の時点で15人となった。新たに確認された患者は13人目の事例で、ワンポア・ガーデンに住む39歳男性の母親で、ウイルスの潜伏期間に大陸内地に行ったことはなく、衛生署は息子から感染したものと推定している。衛生防護センターが指摘するところでは、これまでに2件の感染経路の不明なものがあり、香港ローカルで感染した可能性を排除できない。一般市民も、ウイルスが当地のコミュニティー内で伝染する可能性があることに心構えが必要としている。

今回新たに確認された72歳の女性患者は慢性疾患を患っており、ワンポア・ガーデン11期1棟に居住しており、13人目の感染確認患者である39歳男性の母親である。彼女は2日、鯉魚門公園渡假村(レイユームン・パーク・アンド・ホリデイビレッジ)内の臨時隔離棟に運び込まれ、同日から発熱と咳の発症が始まったため、治療とテストのためエリザベス委員に転送され、陽性反応の結果が出た。患者は昨日更なる治療のためマーガレット医院に転送され、現在の容態は安定している。同患者の潜伏期間中に香港を離れておらず、自宅に留まっていた。その他家庭内の濃密な接触にあった4名はなおも鯉魚門公園渡假村の隔離棟にいるが、発症は見られていない。

衛生防護センター伝染病処のチーフ張竹君氏が指摘するところでは、この72歳の新規感染確認患者は大陸内地へ足を踏み入れていないため、自らの息子から感染したものと思われる。さきに感染確定した息子である39歳の男性患者は既に直接救急車で病院に搬送されていたが、その時点で母親は病状がなかったそのまま隔離棟に案内されて観察待ちとなった。同チーフの判断ではワンポア・ガーデンに大きな危険はまだないとしている。

感染経路が不明な2件

消息によれば、廣華醫院(九龍・ヤウマーテイの総合病院)が昨日スピードテストした結果、一名の疑いのある検品から新型コロナウイルスに初期の陽性反応が発見されたが、衛生署が再度テストした結果は陰性反応であった。したがってこの例は感染確定にも高度に疑わしいものとしてはカウントされていない。

同張竹君チーフによると、これまでに2件感染経路が不明なものがあり、これは12番目の青衣(空港手前の島)長康邨(公立の集合住宅ビル)に住む75歳の男性患者と、14番目の葵涌(Kwai Chung, 九龍半島西部)に在住で、クルーズ船に乗ったことのある80歳男性患者。前者は二週間前に広東省の順徳(広州市の南西)を訪ねており発症前は青衣長康邨の自宅か付近の生鮮マーケットに買い物に出たくらいであったが、家族で湖北に行った者はいない。後者は、発症前にシンセン市と日本に行っており、発症前のほとんどの時間は自宅か付近での日用品買い物だけであった。同チーフは2件とも香港ローカルでの感染の可能性を否定できないと指摘しており、香港でも一般市民の生活区でも感染することへ警告を促し、一般市民も武漢の新型肺炎が地元で感染拡大することに事前の覚悟を呼びかけている。

感染症・伝染病専門医である曾祈殷氏が述べるところによると、伝染病の拡大全体は、香港でおよそ10件の外部からの感染例が現れた後、香港ローカルでの感染と思われる個別の事例が出ており、ウイルスが他の土地から香港に持ち込まれて既にある程度の時間が経っていると思われる。今すぐ香港を「封鎖」することが有効であるか否かについて、同医師は、「今すぐに、徹底的に行なうならば」とした上で、香港が他の土地から感染の疑いのある人を遮断すれば、「遅過ぎることはないだろう」としている。

■記者:于健民

出典:蘋果日報 要聞港聞   更新時間 (HKT): 2020.02.03 02:20

https://hk.news.appledaily.com/local/20200203/XUJ3Q6UOVBPQVCBVZ2XR6NIUH4/