【香港ローカル ニュース Vol. 32】

新型コロナウイルス肺炎感染確認者が300件を越えました。専門家は今後1,000件を越えると予想しています。医療看護従事者は市民全体に対し、家に留まるよう呼びかけるキャンペーンを始めました。

「あなたの為に、私は職務を果たします。私たちの為に、みなさんは家に留まってください」。医療関係者がそのようなカードを掲げて、職場環境から感染の拡大を阻止するキャンペーンを動画で始めると共に、海外から帰国した青少年がおとなしく自宅で14日間の隔離を行うことを徹底するよう呼びかけた。
潜在的な保菌者は公表数よりも多いと見られている。

外出しないことが一番
 香港公共医療医師協会は、海外医療看護と共同活動し、業界の様子を見せる動画を提供している。公衆衛生も個人の衛生も気を付けるよう、遊び好きで退屈が大嫌いな香港人に呼び掛けている。
 医院管理局の行政総裁である高拔陞氏は、ブログでも同様に「つい最近、感染者数が絶えず増加しているのは、海外から香港に戻った人々である。今は隔離病棟も足りており、さらに多くの病棟を確保することは可能とはいえ、このままの増加傾向だと医療崩壊を起こす。」と指摘している。

 香港での記録は3月22日時点で、14件が海外渡航記録なしで感染確定となった人がいる。もし人との距離を取らない、マスクをしない、手を洗わない場合、数週間のうちに数百人単位で新たな感染確定の事例が増加すると見られている。

飲食店の営業停止も

 医学会伝染病顧問委員会の議長、梁子超氏は、「見えているものは、見えないものより少ないと言える。今は小規模の連鎖感染(クラスター)だが、みんなが社会生活での距離をきちんと取るとか、マスク着用、手洗いなどをしないと、数週間後には100人超の感染確認者が出ることも、更にその数週間後には1,000件を越えるかもしれない。そうなったら封じ込めの境目が破られ、引き返しのできない状態になることもある。」と述べている。

 中文大学の公衆衛生基本医療アカデミーの助教授、郭健安が指摘するところでは、「ここ数日来の感染拡大は、自宅隔離の政策がボトルネックになっており、隔離されるべき人々に期待されている自制心が欠けており、テストキットの不足も問題であり、香港政府は香港市民でない者の香港立ち入りそのものを禁止した。これから2週間が感染爆発するかどうかの鍵であり、公共施設であれ、自宅であれ、隔離14日がうまく行くかが大事だ。こうした措置で新規感染者が二桁を越えないように、人の集まることを制御することには、映画館・劇場・ショッピングモールなどに「臨時休業」の告知を出すことも政府が商業機構と相談の上で進めていくことが必要だ」と述べた。


 香港大学医学院院長であり政府防疫専門家顧問団のメンバーである梁卓偉氏は、ラジオ番組『講清講楚』で今の状態を形容して、「現在はウイルス感染拡大の開始以来、一番危険な時で、政府は更に厳格な施策で、市民が社会生活での接触の機会を減らすよう促すべきで、たとえば飲食店やバーなどは夜の営業を一時停止させるなどが必要。ただ、英国の例に倣って、影響を受ける従業員に手当金を出すことには注意が必要」とし、「自制には2つのレベルがあり、1つは一般大衆が自制心をもって出歩かないこと、2つには供給を断つこと、この2つが協調させられないなら、3番目のレベルとして政府が立法措置をして市民の活動を制限するしかない」としている。「不要不急の外出というのが難しいのはわかるが、社会生活での接触をこの1、2週間最低限に抑えられるなら、最悪のピークを避けられるかもしれない」と述べている。

 衛生防護センター伝染病処チーフの張竹君氏は、専門家のアドバイスに答える形で、「政府の専門家チームも防疫措置のチェックを随時行い、当局も専門家の意見に耳を傾けている。ただ、ある場所を封鎖すれば伝染を減らせるとは限らず、市民は外に出掛ける生活態度を改めて、家に留まる・プライベートな場所での少数人の集まりにのみ行くなど、社会生活の接触を減らすことが最も重要」と述べている。

出典:蘋果日報電子香港版

更新時間 (HKT): 2020.03.23 02:20‎

https://hk.news.appledaily.com/local/20200323/CKL423SMRNSL7S4MZA2PGLBVKY/