【香港経済を追え vol.21】

アジアの金融ハブ、香港。

その地位を今後保っていく事は出来るのでしょうか。

米中経済戦争、領事館の相互閉鎖、そして自由経済を阻む材料になるかもしれない国家安全法、また経済基盤を揺るがす新型コロナウイルス感染第三の波発生など、大事件は起きていますが、それでも香港の富裕層・経済の中核となる企業はいまだ香港に健在です。

そんな中で、一般の香港人はどんな日々の経済ニュースを読んでいるのでしょうか。

下記にて、新聞の金融ニュースの記事を一篇まるごと読んでみます。

香港株式 三日間で1.9兆ドルが蒸発

ファンド:米中対立の間で踏んだり蹴ったりの立場に転落することを危惧。激震の惨状再び

ニュースソース: 蘋果日報 2020年07月25日土曜日 蘋果財經B1

https://hk.appledaily.com/finance/20200725/PR5HXUFD6IQ4N37NPN425EZUYU/

【本文】

米中衝突が劇的な白熱化をする中、香港株は24日金曜日に558ポイント下落し、23日水曜日のアメリカが中国にワシントンの領事館閉鎖を要求してから、市況ではたった三日で1.9兆香港ドルが消えた。あるファンドマネージャーは、米中衝突が瞬間的に悪化したことには意外な思いをしており、香港株がまたもや激震の惨状を呈する可能性があり、「これより前も香港がスーパー金融仲介者から八方塞がりの虐められ役に転落するのではと懸念があったので、香港株の上げ値株と下げ値株の比重は、下げ値株が2割という低めの水準」と語る。

取引所としては24日終り値24,705ポイントとなり、557ポイント、2.2%の下落となり、今月の終り値としては最低の記録となった。先週は累積下落幅383ポイント、1.5%の下げとなった。二週間の動きとしては1,022ポイント、4%の急落。ハンセン指数は10,080ポイントとなっており、244ポイント、2.4%の下げ。メインボードの取引は1,666億香港ドルとなっている。

香港株の23日のマーケットプライスが39.77兆香港ドルで、今回の事件が起きる前のレベル41.64兆香港ドルと比べると、三日間で約1.88兆ドルが蒸発したことになる。北水(注1)は連続29営業日のネットインフロー高の記録が途切れ、23日(金曜日)のデータはネットアウトフロー12.32億ドルに終わった。当日中の「沽空」(注2)金額は218億ドルで、全体の13.1%を占めた。

※注1「北水」:大陸内地の投資者が上海証券取引所のチャンネルを通じて、香港証券取引所に上場している中国内地企業の銘柄に投資すること。

http://edu.sse.com.cn/col/shhkconnect/faq/hkex/

※注2「沽空」:証券会社で開いたアカウント内の取引で、安値の株を短期借りて、株価が取得コスト未満の安値に下落した時点で返済することで、その差額分も稼ぐ方法。

黃國英:マーケットは過度のパニックを起こすほどではない

安里ホールディングズ(注3)の専務CEOの黄偉康が示すところでは、香港金融界は早くから数多くの中国概念株(注4)香港返還の二回目の上場をしているため、米中の緊張関係を過小評価してきているので、「実のところ冷戦状態は起きていたので、双方の争いは熱戦になっているじゃないでしょうか」という。ただ直近の高値ファンド利鞘状況はさんざんたるもので、投資者のモーチベーションを害している。同士によると、こうしたファンドの香港株の比重はずっとわずか20%ほどの低めであり、「こうなるのは、香港が金融のスーパー仲介者から八方塞がりの虐められ役になることを懸念するからです。政治的リスクが高いので、香港銘柄への興味が少なく、当分売買取引や売却はしないでしょう。むしろその他のパシフィックリム市場の株式に注目しています」と同氏は述べる。同氏はハンセン指数24,500ポイントにはサポートがあるが、ただ中長期の投資は依然マイナスだろうとしている。

※注3 安里ホールディングス

首頁

※注4 「中概股」=中國概念股
https://zhidao.baidu.com/question/628325388415678924.html

豐盛金融資產管理Ample Capital Ltd. (asset management)(注5)取締役 黃國英アレックス・ウォン氏はダイレクトに、「米中の衝突が突然悪化したことは意外だが、香港銘柄に激震が走ることは予想のうちだ」と言う。しかし、香港銘柄とアメリカ株を概観すると、大銘柄の下げ幅のほうが中銘柄より傷が深く、マーケットが今回のことで過度パニックに陥っているのではないことを反映しており、「政治で揺さぶられる株式市場というはこれまでに見たことのないものではありませんし、ですから市場の様相はパニックというほどの様相ではありません」。

※(注5) Ample Capital Finance Group アレックス・ウォン氏 http://www.amplecap.com/en/team.asp

以立投資管理有限公司VL Asset Management Limited(注6)の総裁 林少陽Vincent Lam氏は米中関係を「離婚係争中」の夫婦に擬えて、「両国が数十年間相手を利用し合ってきたが、政治に揺さぶられる市況が株式マーケットに与える影響は短期のものです。現時点で大きな政策変更をしてもあまり意味はありません」として、投資者に対して現状に振り回されないよう呼びかけており、同社のファンド構成も、IT 銘柄やバイオテクノロジー銘柄の板塊(業界のセクター 注7)を重視しているという。‎

※注6 以立投資董事總經理林少陽  http://vlasset.com/about.php?lang=en

※注7 板塊

https://wiki.mbalib.com/zh-tw/%E8%82%A1%E7%A5%A8%E6%9D%BF%E5%9D%97

数日来の「北水」(資金調達のために香港上場した中国国内企業、あるいは海外で登記設立されているが中国国内に売上げ業務の実質を置いている企業の株銘柄の取引)の香港上場銘柄へのインフロー・アウトフローの趨勢(単位:億香港ドル)