【香港ローカル ニュース Vol. 62】

匿名のネット書き込みを無くすため、モバイル端末(スマホとタブレット)に使うSIMカードの購入に身分証カードの提示と実名による登記を義務付ける制度を検討中。

【Now新聞台】
香港政府は電話のスマートSIMカードに実名登記の制度の導入を提言

去年8月までに、香港市内で流通しているプリペイド式の電話SIMカードは1,170枚が販売されており、政府は実名登記による制度を導入すべくパブリックコメントを求めた。

電話のSIMカードのユーザーは身分証明書類を提示し、そのコピーを各電話サービスプロバイダーの登録のために渡すことになっている。個人でも法人でも、各電話会社で最高3枚のカード購入に制限し、16歳かそれ未満の者が登記する場合は一名の成人が確認をすることになる。

保安局によれば、「匿名のプリペイドSIMは犯罪に使われることが多く、動物虐待のビデオをSNSにアップしたり、マネーロンダリングや、テロ的攻撃など調査を困難にしているため、規制が必要」と言っている。

保安局副局長區志光 AU Chi-Kwong, Sonny氏は、「不逞の輩がプリペイドSIMカードを使って厳重かつ組織的な犯罪、たとえば違法移民の輸送、危険薬物の売買、集団窃盗、密輸、IT犯罪などを働くケースは非常に多く、場合によっては爆弾爆破の遠隔操作に使われることもあり、社会の安全に対する脅威となっています」と述べている。

ユーザーが登録を取り消しても、電話会社では12ヶ月間書類保存の義務があり、法律執行機関は切迫かつ緊急の事由がある時に裁判所の命令なしに電話会社にユーザーの登録資料の提供を求めることが出来る。

政府は二段階式で進めることを提唱しており、電話会社は規定が発効してから120日のうちに登録のシステムを整え、そこから240日の間にユーザーを登録することとし、規制が発効してから361日目の時点で登録されていないプリペイドカードは失効することになる。

香港政府はまた、「現段階で市民の指紋や顔認識などの生物学的特長で登録することを求める計画は考えておらず、実名登録がモニタリング強化のためではない」と否定している。

商務及經濟發展局(英語:Commerce and Economic Development Bureau,縮寫:CEDB)の局長である邱騰華Edward YAU Tang-wahは、「月額パッケージユーザーであれば住所など既に個人情報は提供されていますが、無記名式で有効期間が30日から180日のSIMの場合、現在は身分証資料を提示するだけでよく、資料は電話サービスプロバイダーで保管するだけで登録されるわけではありません」と述べる。パブリックコメントは2月28日までとされ、政府はその結果次第で立法措置に踏み込むか否かを決定し、「現時点では具体的なタイムテーブルを設定してはいない」という。

ニュースソース:NOW新聞台 (ケーブルテレビNOWニュースチャンネル)のネットニュースサイト 2021年1月29日 19:19https://news.now.com/home/finance/player?newsId=422230