【香港ローカル ニュース Vol. 66】

美術オークションと新型コロナ関連情報

資金があるところでは、投資目的のオークション活動もニーズはあるはず。

日本人には「金融センター香港」と「美術品オークション」とは関連性が見出せないという印象を持っている方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、合法的な商品・出所が違法な物・贋作を含め、中国大陸や東南アジア諸国の美術品・骨とう品は香港に集積され、世界各国へ流れているのです。常設のオークション会場はないものの、香港島のホリウッド・ロードの骨董品美術品密集地区を観光の際に通ったことのある方は多いでしょう。日系の美術オークション会社も進出しており、英国の有名オークション会社と並び、定期的にホテルのパーティ会場を貸し切って毎年数日間の国際オークションセッションが行われています。現代美術の分野で、大陸の美術家の作品を発掘して欧米の愛好家に紹介するのも香港に拠点を置くオークション会社や美術商の仕事。セントラルのセントラルエスカレータや、ランクワイフォン蘭桂坊のすぐ上にも展示スペースを備えた美術商のショップがあります。輸出するだけでなく、大型住宅用ビルが開発される際に、最近の潮流として、ホテルロビーよりも高級感を漂わせるエントランスを備えた高級マンション群も増えて来ました。そうしたエントランスや公共スペースには美術品や生花は欠かせません。
需要があるのに、キュレーターや鑑定士を育成する場を欠いているのが香港の現状と言えるでしょう。

一方、九龍半島の尖沙嘴Tsim Tsa Tsuiの美術品展示スペースを織り込んだショッピングモールとして初のK11は、高級感のあるコンセプトでおしゃれな空間を狙っていますが、警戒が緩められた後の2月最後の週末にレストランで新型コロナ感染確認者が店側にも客側にも発見され、全館二日間の営業停止・消毒・訪問者全員検疫となりました。K11 Museaは、香港で初のイタリア式カプチーノマシンメーカーの直営コーヒー店が開業しているなど、いろいろな面で斬新な体験のできる場所です。

▼香港美術品市場は活発な動きがあるものの、扱う人材育成がニーズに追いつかず

『NOWニュースチャンネル』2021年2月28日 09:24から

香港は世界三大美術品取引市場の一つ。昨年の現代美術オークションの売上総額はこれまでの記録を破り、7億米ドルを超えた。しかしローカルの大学卒業生が業界で就職するのは難しく、学者は香港の芸術教育と市場ニーズがマッチしておらず学生が優位性のある香港の文化芸術産業に身を投じる機会を逸しているという。

香港大学芸術学部三年生のKENさんは語る。「展示があると、華やかできれいなのでセレブの多くが入っていって参観します。僕もオークション会社やギャラリーに行きたい気持ちがあります。アート作品の売買市場の役割と、展示とは、何が違うのかも知りたいですし。」

現在芸術学部三年生のKENさんはずっと卒業後は文化芸術産業の職に就きたいと願っていたが、この業界に入るのは容易でなく、結局大学の指導教授の紹介である国際的なオークション会社でインターンをすることになった。

「伝統的な求職サイトでは就職先を見つけるのは無理ですし、人の推薦をもらったにしても、一方的に教えてもらった人に連絡をしたりメールすることしかできず、就職の難しさはかなり高いです。毎年オークションを二回開催しているだけだと思っていた会社でも、オークションのない時は暇なのではなく、実際にオークション会社で働いてみて、オークションに関する知識が増えれば増えるほど、実際をそうではないことに気付かされました。オークション開催以外の時間は年二回の催事を準備していて、オークション出展作品リソースを発掘したり、いろいろな収蔵品コレクションを探すためにコレクターに連絡を取ったりして相当な時間を費やしています。」

2020年全世界アート作品オークションの売上額
73.7億米ドル  前年比26%ダウン
2020年香港アート作品夜間オークション売上額:現代・コンテンポラリーアート  7.26億米ドル 前年比11%アップ

アート作品市場のアナリスト会社のデータが示すところによると、新型コロナの影響で、昨年の世界的アート作品オークション売上額は前年比で26%減となったが、香港のアート作品夜間オークション売上額は市場最高を記録し、前年比11%増加して、7.26米ドルに達した。市場の規模は、ロンドンを超え、ニューヨークに続く順位となった。
市場の潜在力は大きいが、学者の指摘では香港の芸術教育は市場のニーズに間に合っておらず、ローカルの学生が就職することを困難にしている。

世界全体の金額比で見る市場規模:ニューヨーク41.6%、香港23.2%、ロンドン22.7%、パリ6.1%、ジュネーブ3.9%、その他2.5%。

港大全球創意產業課程 Interdisciplinary Programme in Global Creative Industries ‎香港大学グローバルクリエイティブ産業学際課程の講師を務める伍常はいう:「香港マーケットのパイは大きいのですが、我々はこのパイの成果の規模に与かるだけ十分な人材を養成できないままでいます。そのため、国際的な大手オークション会社であれギャラリーであれ海外で教育を受けた人材でないとこの業界に入ることは難しく、海外には関連する芸術学科がありますが香港にはないのです。香港の大学生は大陸国内の市場に対する知見を欠いており、海外の藝術教育の素養で育成されることにも欠けており、どちらの面でも劣勢に置かれている状況です。」

同講師は、また香港政府は藝術市場に関連するコースを開設する資金援助をして、香港ローカルの人材育成を行うべきであり、そうすることで特にかつての工業団地ビルの再開発に伴う九龍半島西エリアの文化発展に寄与することができると述べている。

ニュースソース: NOWニュースチャンネル

https://news.now.com/home/local/player?newsId=425584
▼『名潮』クラスターで41人が感染 同フロアのカルチエの職員も感染。K11 MUSEAは二日間閉鎖、全館強制検疫。

【武肺=新型コロナ肺炎感染第四波】K11 MUSEAカルティエ職員第一段階で感染確認。全館の従業員が一斉強制検疫対象に。

【アップルデイリー記者】香港の新型コロナ感染状況は2日連続で急増し、2月27日土曜日に33件の感染確認が発見され、そのうち31件がローカルの事案、2件が域外からの持込事案。この三週間で最高数となった。この中でも尖沙嘴のショッピングモールK11 MUSEA内のレストラン「名潮食館 Ming’s Chinese Dining」の感染クラスターは拡大を続けており、一日だけで15件の感染確認の事案が見つかり、累計41人が感染している。同フロアに位置するジュエリー店カルティエでも職員一名が第一段階感染確認されており、衛生防護センターはモール内に見えないスーパースプレッダーが現れたと見ており、商業施設としては初めての従業員全体の強制検疫に踏み切った。

◆「名潮食館:当店を19日にご利用のお客様から感染確認・第一段階陽性反応が現れましたので、当館は臨時休業し、検査と徹底消毒を致します。ご不便をお掛けいたしますがなにとぞご容赦ください。」

2月27日新規発見の感染確認15件は名潮食館‎レストランに関連しており、9名の客、4名のレストラン従業員、および2名の濃厚接触者が含まれている。新規発見感染確認された2名の客はどちらも19日名潮食館‎でランチを取った後に感染が見つかった。このほか7件の陽性反応が見つかっており、1名の客、6名の濃厚接触者となっている

K11 MUSEA内のレストランや店舗の職員が感染、モールは二日間閉鎖して消毒を行う。

空間環境を通じた伝染の疑い

K11 MUSEA内のジュエリーカルティエの女性職員一名33歳も陽性反応が出ており、現住所秀茂坪曉麗苑曉暉閣‎〔Hiu Lai Court九龍半島東側、地下鉄「牛頭角」駅最寄の住宅公社開発のマンション〕であり、暫時感染経路不明としている。

衛生防護センター伝染病所チーフの張竹君の説明によると、「このカルティエ職員はレストラン名潮食館に行ったことはなく、2つを関連づける確定要因はないとしているが、ジュエリーとレストランが同フロアにあるため、スーパースプレッダーがいたのなら、同職員は空間環境を通じて、または気付かない内に接触があって感染した恐れがある」としている。

七か所が強制検疫対象に:(上から)[1]紅磡德萃幼稚園St. Hilary’s Kindergarten〔九龍半島南東〕、[2]馬麗醫院Queen Mary Hospital〔香港島西端〕、[3]花園1號中銀大廈47樓〔香港島セントラルとアドミラルティの間、Bank of China Building, Garden Road,〕、[4]大埔三門仔比華利山別墅會所〔新界Tai Po, San Mun Chai, The Beverly Hills 民間デベロッパーのマンション、クラブハウス〕、[5]灣仔恒隆中心〔香港島ワンチャイ、ハンルンセンター 1511室恒隆不動産〕、[6]鰂魚涌林肯大廈〔香港島、Quarry Bay, Lincoln House〕 [7] 灣仔銅鑼灣中心〔香港島、コーズウェイベイセンターショッピングモール〕

レストランの会計記録によると、19日当日は76名の客がランチで来店しており、既に61人が検査を受けている。27日に感染確認された客はいずれも検疫センターで発見されているが、そのほか10数名の客はまだ連絡が取れていない。衛生防護センターの張竹君は、レストラン利用の際に入店前に氏名・電話番号を登録することが始まっているがその手書記入の資料に誤りがあると疑念を抱いており、19日以降に同レストランを利用した市民は早急にセンターに連絡するよう呼び掛けている。

この他、政府は27日から、就業場所に一名でも伝染期に来訪した感染者がいるならば強制検疫することを始めている。27日には10件の感染経路不明の事案があり、三割を超えている。張竹君は、「事案件数の上昇は、感染者が広範囲に外出したり活発に外食に出たりと、旧暦正月休み中の活動、レストランでの防疫措置緩和と関連している」と指摘する。

張竹君はまた、「名潮食館については三次感染が見つかっていないが、本人の自覚のないスーパースプレッダーが出現している疑いがあるため、衛生署はK11 MUSEAで働くすべての人を対象にして強制検疫令を発しており、19日以降に当該ショッピングモールで「安心出行LeaveHomeSafe」アプリのスキャン[注記]をした市民にも通知を発した」と述べている。しかし、モールは既に消毒清掃を済ませており、理論上モールにはリスクが存在しないため、モールをロックダウンする必要ないと考えている。ただ市民が同モールへ行く際には自己責任でリスクの判断と必要な防御をすることを怠らないようにと呼び掛けている。

[注記:現在、香港全域で、政府の開発アプリ“安心出行”がモールや飲食店入り口に設けられており、スマートフォンで出入りの記録を残すよう決められており、スマートフォンのアプリを利用していない者は手書きで氏名・電話番号を店側提供の用紙に記入することが義務付けられている。違反した場合は、最高5万ドルの罰金が課される。3月1日から食物環境署が飲食店の利用客がこの措置に従っているか抜き打ち検査を始めると発表があった。]

アプリを利用しない飲食店客は店側が用意する用紙に氏名と連絡先電話番号を残すことになっている。

ショッピングモールや飲食店入り口には、QRコード入りの張り紙があり、スマートフォンであらかじめ「安心出行」LeaveHomeSafeのアプリをインストールしてある利用者は、これを自分のスマートフォンでスキャンすれば、氏名・電話番号の個人情報を手書きで残さなくとも入店できる。

カルティエは社員に感染者が出たため一時営業停止となった。27日に利用しようとした市民は門前払いを食わされる。

レゴランド・ディカバリー・センターは開幕延期に

K11 MUSEAが28日から二日間スプレー式全館消毒のため閉館するため、館内で3月1日から開幕予定となっていたレゴランド・ディスカバリー・センターは開幕が別途通知まで先送りとなった。記者が27日の夕方に現地を見に行った際には、モール内の人出は平日よりもまばらで、名潮食館もカルティエもドアを閉じていたが、店舗の外に消毒清掃をする人影は見えず、同フロアの他のテナント店が時間を繰り上げて閉店する様子も見えなかった。

[左]新規感染確認33件 ローカル感染31件 感染経路不明10件 外部持ち込み2件
[右欄]名潮食館レストランのクラスター感染事案15件の感染者の自宅分布

27日にK11 MUSEAの劇場で映画を見終わった黄さんは外に出た途端スプレー式の消毒を体に浴びせられ、「逆に安心しました」と笑った。人手が少なめのフロアを選んで食事をするなど感染事案の起こった場所を出来るだけ避けるようにしたとのこと。Akiさんはカルティエの支店がある五階で食事をしたということで「出てきて初めて知りました。そのレストランの人に教えられて知ったんです」と述べながら、モール側も防疫対策をしっかりやっているからモール内で感染爆発することは心配していないと語っていた。

ニュースソース:アップルデイリー更新時間 (HKT): 2021.02.28 02:00‎

https://hk.appledaily.com/local/20210228/R5NCKX2JCVHB3IKN2XS23M7JHE/?fbclid=IwAR2qwTr6HKmMfylD1_olkxZRxuNbCI6gyMtGRxh5MnAWqJWWVz_rc7R9vQk

▼ワクチン接種後に視界曇り 高齢女性が病院に搬送
東方日報オリエンタルデイリーより

2021年3月1日週一 上午5:45·1 分鐘文章

沙田源禾路アスレチックセンター内に設けられたワクチン接種センターの運営請負業者によると、一部の年長者は接種後に視界の曇りを訴えた。

【オリエンタルデイリー記者】現在新型肺炎=新型コロナワクチン接種計画が展開されているが高齢者を中心に科興Sinovac Pharm社製造のワクチン接種後に副反応が現れた疑いが出ている。ワクチン接種センターの運営請負業者の一つは、26日に老齢女性一人が接種後に両目視界が曇り、その他の問題はないものの、動悸はまだ正常な反応であるが、ワクチン接種センターは慎重を期して、女性を病院へ搬送することを決めた。これより前にも老齢男性一名がSinovac Pharmのワクチン接種後に心拍動悸が起きており、状態は安定しているが病院に留まっている。

専門家はいつも起こる反応ではないと指摘

病院管理局は27日の問い合わせへの回答として、沙田地区の源禾路アスレチックセンターで新型コロナワクチンを受けてから不具合を訴え、プリンスオブウェールズ病院救急処置室に搬送され、経過観察の後同日中に退院したことを明らかにした。

沙田源禾路アスレチックセンターに設けられたワクチン接種センターを請負運営する百本護理服務Bamboos Health Care社の顧問である龐愛蘭は、質問に答えて、26日に老齢女性がひとりワクチンを受けた後「目がもやもやする」と訴えたが、その他に「不具合はないがセンター側は状況が確定できないことから慎重を期して女性を病院に送って処置をさせることを決めた」と述べた。龐はこのような状況は接種を始めてから三日間で最初のもので、何度も起きているわけではないことを強調している。
このほか、西洋医学労働組合代表楊超發は、Sinovac Pharmのワクチンは早ければ28日中に民間開業医のクリニックにも届く予定で、どのクリニックにも最初のロットは80ボトルのワクチンが割り振られていて、一部のクリニックからは既に400の予約が寄せられており、高齢者だけでなくクロスボーダーの運送業従業員が含まれていると述べている。また最初のロットのワクチンは早ければ二日で使い切ることになり、追加オーダーには4、5日が必要であるとのこと。

ニュースソース:

https://hk.news.yahoo.com/%E6%8E%A5%E7%A8%AE%E7%A7%91%E8%88%88%E7%96%AB%E8%8B%97%E5%BE%8C%E9%9B%99%E7%9C%BC%E7%9F%87%E7%9F%93-%E5%A9%86%E5%A9%86%E9%80%81%E9%99%A2-214500999.html