【香港ローカル ニュース Vol. 157】

【香港大学「ChatGPT」によるカンニングを禁止】香港中文大学は近日中に方針を決定、小中学校部門は宿題を見直すよう提唱

人工知能(AI)チャットボット「ChatGPT」が世界的なバズワードとなりましたが、学生がAIを使用して宿題を自動生成することへの懸念も出てきています。 香港では、香港大学が17日、学生がChatGPTを使用して課題の提出や評価を行うことを禁止し、もし違反した場合は盗作として扱う可能性があると発表しました。

香港大学副学長何立仁は17日、教師と学生にメールを送り、学生がすべての授業や課題、評価でChatGPTやその他のAIツールを使用することを禁止することを発表しました。 一時的な措置の公布とは別に、香港大学はAIツールの使用が教育や学習に与える影響を調査し、長期的に対応策を提案する予定です。

他の大学については、香港中文大学は、「近日中に会合を開く委員会を立ち上げ、状況を確認し、適用可能な方針を策定する」としています。 香港科技大学は、「海外および現地の高等教育機関が最近発表したガイドラインを認識しており、AIが学術・研究活動に与えうる影響を引き続き注視し、タイムリーに見直していく」と述べました。 香港浸会大学は、「学生の学習効果を評価する方法を随時見直し、学生が学問的探究と創造性のためにテクノロジーをうまく活用することを期待し、推進する」と述べています。

香港中文大学工学部の副学部長兼システム工学・工学管理学教授の黃錦輝教授は本紙に対し、「大学生がカンニングして論文提出することは時折起こる」と述べました。 同氏は、香港大学のアプローチを支持し、「他の大学や小中学校でも学生のChatGPT利用禁止を検討する」と考えており、「海外ではChatGPTを利用してコンテンツを生成することを検知するシステムが開発されている」と付け加えました。

小中学校分野:完全禁止は難しく様子見

小中学校分野では、テクノロジー教育を推進する私立DBS幼稚園・小学校部門の校長である朱子穎氏は、「本校の対応はまだ様子見であるが、今後AIアプリケーションがさらに普及することが見込まれ、学生によるAIツールの使用を禁止することは困難である」と述べました。 この2カ月間でChatGPTを使った自身の経験を紹介し、文章作成の補助だけでなく、海外で開発されたツール「GPTZero」を利用することで教材制作の時間短縮につながり、「数学の分母加算問題40問を1~2秒で用意できる」とのことです。

学生については、朱氏は、「中高生の入学試験は『Closed Book』であり、宿題にGPTを使っても、受験には使えないので、あまり影響はないだろう」と述べました。 それよりも、より影響を受けるであろう中高生や小学生の精神発達の未熟さを懸念し、「何が正しいのか、間違っているのかわからず、言語体系も未発達な段階で、宿題を写すと学習の理解力が身に付かない」としました。 しかし、「AIは多くの国や機関が多くの時間をかけて研究した結果、開発され成熟してきた」と指摘し、小中学校分野でもテクノロジーを取り入れ、例えばグループ学習や実験学習などを取り入れ、生徒の知識をより確かなものにすることを検討すべきと考えているようです。

ニュースソース:https://topick.hket.com/article/3464386/