フォーシーズンズ ホテル香港2600万ドルの横領被害

実際に起きた詐欺事件を原作としたことで話題となったドラマシリーズ『地面師たち』。同事件をここ香港でも彷彿とさせるニュースが舞い込みました。
ラグジュアリーホテルの代表格・フォーシーズンズホテル。金融の中心・中環(セントラル)に位置し、香港の顔とも言われるビクトリア・ハーバーのダイナミックな景色を一望できる、香港屈指のホテルです。
被害額は2600万香港ドル
世界的にもネームバリューのある同ホテルで事件は起きました。
39歳の元経理担当者が、小切手の署名を偽造し、会社の会計システムの記録を改ざんした結果、4年間で2,600万元(4億8千万円)を盗んだ疑いで逮捕されました。
その手口は驚くほど堂々としており、なんと112枚の小切手を自分の口座に入金するなどし、4年間に渡り発覚には至らなかったそうです。またこの経理は会社から多大な信頼を集めていたとも報じられていました。
横領した金で優雅な生活を送っていた
警察の捜査によると、元経理は盗んだ金をブランドバッグや腕時計に使っただけでなく、郊外にあるマンションや高級車も購入していたことが判明。最終的に懲役6年6カ月の判決が下されました。弁護側は、被告が貪欲さから犯行に及んだのであって、綿密な計画によるものではないと主張しています。
疑うべきは敵ではなく味方なのか
冒頭の『地面師たち』の中で、詐欺の首謀者であるハリソン山中の名言にはこんなものがあります。
「ターゲットは大きければ大きいほど狙いやすい」
「目的まであと1歩という時に足を引っ張るのは、敵ではなく必ず味方です」
まさに同作品と重なる部分が多い今回の事件。
透明性のある財務会計の大切さと、信頼は時に悪にもなりうることを感じさせるニュースをお伝えしました。