国際競争力ランキング、世界69か国中、香港は世界第三位

 6月スイスに本拠を置くビジネススクール国際経営開発研究所IMDが、その研究センターであるWCC世界競争力センターから2025年のランキングを発表し、香港のローカルメディアでも6月下旬になって新聞各社で話題となった。これはランキングで香港の位置が5位から2位にランクアップしたため。競争力の目安となる要素4つにおいて向上が認められた。WCCは世界69か国を対象に340の指標を設けてランキングを測定している。

 1位はスイスで「政府の効率性」「インフラ」で世界のトップを行っている。経済パフォーマンスや政府効率性では低いランキングであるが全体的な評価では高水準を維持している。2位はシンガポール。去年の1位から落ちたものの、経済パフォーマンスでトップを維持しており、GDP・資本形成の高成長、商品・商業サービスの輸出で伸びを見せている。わずかに後退した国際投資と雇用を上回る国内経済と国際貿易がシンガポールの強みとなっている。

 香港は総合スコア99.2ポイントで、政府効率・ビジネス効率・経済パフォーマンス・インフラの四要素でスコアが向上している。これをWCCは民間投資を誘致する力強い要因になると見ている。更なる改善を図るための示唆として、今後会計監査[香港では全ての有限会社が監査対象]・会計規準の貫徹が不十分になる疑念を示しているものの、香港は税制・ビジネス規制の点では世界ランキング1位。これは、法支配、簡素な税制、透明性の高い市場、国際的な高水準のビジネス環境、資本・情報・商品・人的資源の自由な流れが評価されている。  WCCは、分極化・分断化以上に地域経済統合の取り組みが加速していると述べており、確固たる金融・貿易・開運のハブを有する香港は、今後も企業・人材の獲得を進めることで今後数年間も総額500億香港ドルの投資を呼び込み、2万人以上の雇用創出を目指しているとしている。

(ランキングの図表出典:IMD World Competitive Center: “From Government Policy to Business Acumen: Strategizing for Competitiveness in a Fragmented World” Highlights from the 2025 IMD World Competitiveness Ranking Full Report)