ECプラットフォームと地域サプライチェーンの拡充

商務・経済発展局局長の丘應樺 Algernon YAU氏は7月20日に香港電台RTHKの番組に出演して、香港のビジネス環境の発展状況を概説するコメントを述べました。商務・経済発展局は香港政府の政策決定機関で、その下に香港貿易發展局HKTDCや投資推廣署InvestHK、またRTHK香港電台(ラジオ局とテレビ局)などの機関を統括しています。

一昨年から今年上半期までに投資推広署インベスト香港は目標値を超え、海外から1300社を誘致しました。1300社のうち、600社以上が外国企業で、国別ではアメリカが100社超、次にイギリスと続き、海外企業の香港に対する期待は依然高いことが伺えるものの、後半期の見通しは難しいとも言っています。

同氏が述べるところによれば、香港の5月の貨物輸出額と輸入額が前年同月比でそれぞれ15.5%・18.9%増加し、伸び率が加速しているとはいえ、米中間で進んでいる関税政策などの不確定要素が多々あるため、下半期の予想は難しいとしています。企業の倒産や老舗の閉業の知らせが続く中、地元市場の見通しについて尋ねられると丘局長は、ポストコロナの消費モデルが変化しつつあると指摘する一方で、北上消費(香港居住者が越境して中国本土へ買い物・美食ツアーに出かけること)は今に始まったトレンドではないとして、小売・飲食業界は革新的な製品やビジネスモデルを模索し、変化に適応する必要があるだろうと呼びかけました。具体例として、香港の宝飾会社がアニメキャラクターとコラボレーションした製品を発売したことや、尖沙咀の伝統的な飲茶店が24時間営業を開始し好評を得ていることを挙げています。また、ECプラットフォームの発展も小売業の新たな活路を見出す助けになるだろうと述べています。

さらに中国本土企業が香港を通じて「グローバル展開」できるよう支援することを期待しているとともに、マレーシアとサウジアラビアに経済貿易事務所を設立する計画があり、より多くの国や経済圏、特に東欧、中欧、中央アジア、ラテンアメリカなどの経済発展を促進し、香港の経済貿易ネットワークを拡大したいと述べています。