超大型台風 襲来

今回の台風18号、香港では台風を名前で呼ぶことになっているので、台風Ragasaと呼ばれていますが、100キロ離れていても威力が大きく、最大級の警報「シグナル10」が24日水曜日発令されました。私たちの会社もこの超大型台風のため23日火曜日と24日水曜日の二日を在宅勤務に切り替えました。とはいえ、発令が出てからも24日の午前は曇っていただけで雨もまだ降っていませんでした。

※地下鉄会社の、路線ごとの地下運行部分・陸上運行部分(シグナル9・10の発令で即時運転見合わせ)
香港では、台風による暴風雨に対して、気象台から「台風警報」が発令されます。風速測定の器具「風球」や警報を表す「シグナル」に等級の数字を合わせて、威力・香港への影響の度合いを示します。等級は1・3・8・9・10の五つです。
シグナル1:日常生活に大きな影響はないが、台風情報に注意。警戒状態。
シグナル3:屋外活動やフェリー運航に注意が必要で、幼稚園が休校になることが多いです。
シグナル8:屋外にいると危険性がある状態。山の中腹部の住宅地付近で土砂崩れが起きるレベル。学校・会社・金融機関・一部交通機関(バス・地下鉄の地上運航部分など)が休みとなり、勤務中の従業員が早じまいして帰宅を指示されたり、まだ出勤していない従業員は家に留まるよう指示されたりします。ただし、香港証券取引所が早じまいすることはなくなったので、関連する人たちはセントラルでホテルを確保して仕事をしたそうです。またホテル職員や公共交通機関のスタッフなどカスタマーサービスの業種は、台風でも出勤することになっています。
シグナル9:建物被害や飛来物の危険が高まり、屋外活動は禁止。市民は屋内で避難・待機。ということは、香港ローカル民は麻雀で暇潰しした人も多かったでしょう。
シグナル10:最大級の台風直撃。大規模停電や浸水、交通全面停止など深刻な被害が想定される。

※香港気象台の公式アプリにはシグナル10発令の通知が出ました。
最大級のシグナル10は今年二度目。週の半ばでシグナル10が出るといろいろと支障も出ます。定期的な陸上輸送手段が中断されるので、ATMで小切手を入金するのが一営業日遅れたり、セブンイレブンなどコンビニを含めて店が閉まってしまったり、地下鉄の陸上運行部分が運転見合わせになるので、ニューテリトリーの郊外に住んでいる人たちは九龍や香港島へ出る足がなくなったり、建付けの悪い住居だと窓から水漏れがしたり、バルコニーがぐちゃぐちゃになったり、街中の歩道や公園などの植え込みの木が折れたり吹き飛ばされたり、舗装道路の側溝が詰まって水が溢れてゴミが散乱していたりと、なかなかカオスの状態が24日の朝には見られました。




23日火曜日中のフライトで香港を離れた方はラッキーで、24日水曜日は1000便が欠航したそうです。
かくいう私も、飲用蒸留水を足りないから買おうと思って24日の朝、セブンイレブンが開いてないかと外に出てみましたが、街路には歩いている人もおらず、店という店は閉まっていて、ガラス張りの店は破損対策でベニヤ板で囲われていたり、バッテンの形でガムテープ補強されていました。
ネットニュースでは流れていない、24日朝の香港(九龍地区の旺角モンコック付近)の街の様子をケータイで撮影してみました。

シグナル10は午後4時過ぎには、シグナル8にグレードダウンされましたが、地下鉄の陸上走行部分の線路には倒れた樹木などで塞がれていたところもあったようで、実際に路線全体の運行が回復したのはそれから1時間ぐらい後のことでした。本数も少なく、また地下鉄以外でも、二階建てバスや16人乗りのミニバスも24日の夜になっても完全には回復していなかったようです。こういう時、頼りになるのはタクシーやUberですが、通常よりも高い料金を請求していたようです。


更に午後8時過ぎにはシグナル8からシグナル3にグレードダウンされたようですが、今日25日の出勤時間までシグナル3は解除されていませんでした。フィリピンの方ではまた強烈な熱帯性暴風雨が発生しているとのことで、今週中はにわか雨や一時的な激しい雷雨が起こるようです。