“先を読みすぎない”のが香港流

年初になると、
「今年はどうなるのか」
「今後の見通しは」
といった言葉をよく耳にします。
日本では特に、年初に一年分の計画や方針を固める文化が根強く、
企業経営や実務の現場でも、
「まずは先を読むこと」が重視されがちです。
一方、香港で仕事をしていると、
少し違う空気を感じることがあります。
先を“読まない”のではなく、“読みすぎない”
香港の実務現場では、
「将来を考えていない」わけではありません。
ただし、
遠い未来を細かく決めすぎない
というスタンスが、比較的一般的です。
・状況が変わるのが早い
・制度や市場環境が流動的
・外部要因の影響を受けやすい
こうした前提があるため、
「まずは動きながら調整する」
という考え方が根付いています。
実務でも見える、この感覚
会計・税務・会社運営の実務でも、
この姿勢はよく表れます。
たとえば、
- 長期計画よりも、直近数か月の実行性
- 固定ルールよりも、柔軟な運用
- 完璧な設計よりも、修正前提のスタート
書類や制度はきちんと整えますが、
「将来を縛りすぎない」ことを意識しているケースが少なくありません。
不確実性を前提にした“現実的な判断”
近年の香港は、
経済・人の動き・国際環境など、
先を見通しにくい要素が多くあります。
そうした中で、
先を断定しない
状況を見ながら判断する
変わったら変える
という姿勢は、
リスク回避というより、現実的な知恵として受け取られているように感じます。
日本企業が戸惑いやすいポイント
日本企業が香港で事業を進める際、
この「未来との距離感」に戸惑うこともあります。
- 計画が固まらないまま話が進む
- 決定事項が後から調整される
- 「様子を見る」という言葉が多い
しかしこれは、
無責任さではなく、
変化を前提とした合理性と考えると理解しやすくなります。
おわりに
香港では、
「未来を語らない」のではなく、
**「未来を読みすぎない」**という選択がされています。
先を決めきらないからこそ、
動きながら軌道修正ができる。
その柔軟さが、
香港の実務を支えている一面でもあります。
年初のこの時期、
あえて先を固めすぎないという考え方も、
一つの参考になるかもしれません。
当事務所では、
香港の実務慣行や現地感覚を踏まえた
会計・税務・会社運営のご相談を承っています。
状況に応じた柔軟な対応についても、お気軽にご相談ください。

