香港のオクトパスが日本の小売業での決済手段に利用可能に

スタンダードチャータード銀行が、オクトパスのQRコード決済機能を日本国内の小売業市場への導入を支援。

10月1日は中華人民共和国の建国記念日である国慶節で、2025年は76周年でした。大陸本土では中秋節まで連続させて八連休。香港では当日だけが公休日でした。明けて、2日水曜日に、スタンダードチャータード銀行香港が、外貨両替アプリケーション・プログラム・インターフェース(API)「SCALE」を通じて、公共交通機関やコンビニ・スーパーを含む小売業全般の決済カード(またはケータイ用アプリでの電子マネーの)オクトパスをQRコードを利用して、日本の小売業でも同様にQRコード決済機能を可能にする支援を行うと発表しました。

オクトパスというと、八本足のタコのイメージですが、中国語の名称は「四方八達」~四方八方にどこへでも交通網が通じているという意味の熟語を使った「八達通」です。元々はプラスチックの『カード』だけでしたが、今はMTRモバイルアプリ経由で、ケータイに組み込む電子マネーとして使う人も多い感じです。障碍者や高齢者など特典付きの『カード』には、10桁のシリアルナンバーに加えて本人の顔写真と氏名が載っています。本人確認ができる、この写真入りオクトパス『カード』は、銀行口座に紐づけて、残高が少なくなると自動でチャージされるように設定ができます。コンビニで香港ドル現金でチャージすることもできます。

香港の住民であれば、スマートフォンに電子決済のアプリが複数インストールされているのも珍しくないのですが、『オクトパス』は使用実績が長いこと、また通勤通学でほぼ毎日使っている人も多いこともあり、香港人にとって使い慣れたオクトパスが日本へ行った時も手軽に使えるようになるということになります。

オクトパスウォレット(電子マネーアプリ)のユーザーは、日本旅行中に「PayPay」ロゴが表示されている店舗で、オクトパスアプリを使って香港ドルで支払いができるようになります。これにより、外貨両替の手間が省け、手数料無料と優遇為替レートの恩恵を受けることができます。

スタンダードチャータード銀行の提供するSCALEというプラットフォームは、APIテクノロジーを活用し、リアルタイムのクロスボーダー通貨換算を一括処理することで、企業の外貨リスク管理を支援し、クロスボーダー取引のコストと変動性を効果的に削減し、クロスボーダー取引の効率性を向上させます。

スタンダードチャータード銀行香港支店のグレーターチャイナ・北アジア地域金融市場・戦略顧客担当責任者であるエリック・ツァン氏は、同銀行が顧客のクロスカレンシー流動性とリスク管理ニーズへの対応、効率的なクロスボーダー決済の促進、そして革新的な技術への継続的な投資によるプラットフォームとテクノロジーの強化に注力し、次世代金融インフラの構築において市場をリードしていくと述べました。今後も多様な顧客と連携し、香港企業の海外事業拡大を支援していくことに期待していると言っています。

日本を拠点にしている方には、香港でのオクトパスの利用はiPhoneのユーザーに便利な仕組みで、アンドロイド勢にいまいち使い勝手がよくないようでsくが、一年の間に二回以上日本を訪問する香港人にとっては今回のスタンダードチャータード銀行のオクトパス支援は、朗報と言えるでしょう。

技術的なことはともかく、筆者の「オクトパスアプリ」を開いてみたら、『オクトパスウォレット』の新機能としてPayPayと連動して日本国内で利用可能だと、ちゃんとアプリ機能がアップデートされていました。