香港のクリスマスが、日本と少し違って見えた理由

日本のクリスマスといえば、 イルミネーションやケーキ、
そしてどこか「特別な一日」という空気があります。
街全体が少し浮き足立ち、 年末に向かうスイッチが
一気に入るような感覚を覚える人も多いのではないでしょうか。
一方で、香港でクリスマスの時期を過ごしてみると、 同じ25日なのに、街の表情が少し違って見えました。
派手な装飾は確かにあるのに、 気持ちの温度はどこか落ち着いている。
そんな不思議な印象が、ずっと残っています。
祝日なのに、街の空気は意外と落ち着いている
香港では、クリスマスは正式な祝日です。
学校や多くの会社は休みになり、交通量も平日よりは少なくなります。
それでも街を歩いてみると、 日本のような「今日は特別な日だから」という高揚感は、あまり前に出てきません。
ショッピングモールは混んでいますが、 どこか淡々とした流れがあります。
人々は写真を撮り、買い物をし、食事をして、 それぞれの時間を静かに過ごしているように見えました。
休みだから外に出る。 外に出る人が多いから街がにぎわう。
理由がとてもシンプルで、 クリスマス自体が主役になりすぎていないのが印象的でした。
宗教行事というより「都市イベント」という印象
香港のクリスマスは、 宗教行事としての色合いはそれほど強くありません。
街で目に入るのは、 教会よりも、ショッピングモールやホテルの装飾です。
天井まで届きそうな巨大なクリスマスツリー。
テーマごとに作り込まれたデコレーション。
音楽とライトアップに足を止める人たち。
それらは信仰の象徴というより、 街を楽しませるための演出のように感じられます。
「祝う」というより「共有する」。 そんな言葉が、香港のクリスマスにはしっくりきます。
誰と過ごすかより、「どこにいるか」
日本では、クリスマスは 誰と過ごすかが大切にされやすいイベントです。
家族なのか、恋人なのか、友人なのか。
予定があるかどうかで、 その日の気分が左右される人も少なくありません。
一方で香港では、 誰と一緒にいるかよりも、どこに身を置いているかが重視されているように感じました。
夜景の見える場所。 海沿いの遊歩道。 イルミネーションに囲まれた繁華街。
一人で歩いている人も多く、 誰かと比べられるような空気はありません。
都市の中に自然に溶け込み、 その風景の一部になる。
そんな過ごし方が、当たり前のように受け入れられていました。
クリスマスでも止まらない「経済都市」のリズム
もう一つ強く感じたのは、 クリスマスであっても、街のリズムが変わらないことです。
至るところに並ぶセールの案内。 観光客の流れ。 夜遅くまで営業を続ける商業施設。
祝日であっても、 人とお金と時間が、同時に動き続けています。
楽しむことと、経済を回すことが、 無理なく同じ空間に存在している。
「休む日」と「動く日」が きれいに分かれていないところも、 香港という街らしさなのかもしれません。
同じクリスマスでも、見えてくる価値観は違う
日本のクリスマスは、 一年の終わりを意識させる、気持ちの区切りのような存在です。
一方、香港のクリスマスは、 都市の日常に組み込まれた、季節の風景の一つ。
どちらが良い、悪いという話ではありません。
ただ、それぞれの街が、 何を大切にして暮らしているのかが自然と表れているように思います。
イルミネーションの下で思ったこと
同じクリスマスでも、 街が変われば、感じ方は大きく変わります。
華やかな光に包まれながら、 それでもどこか落ち着いた香港の夜を歩いていると、
「こういうクリスマスも悪くないな」と素直に思えました。
年末に向かうこの時期、 少しだけ立ち止まって、 自分がいる街の空気を眺めてみる。
そんな時間も、 クリスマスの過ごし方の一つなのかもしれません。


