旧正月で見えた、香港ビジネスの本質


— なぜこの街は“区切り”で加速するのか —
旧正月が明け、街に少しずつ日常が戻ってきました。
ロビーの赤い装飾はまだ残り、
みかんの鉢植えもそのままですが、
オフィス街には再びスーツ姿の人が増えています。
今年も、旧正月前の香港は慌ただしく動いていました。
契約を急ぐ。
支払いをまとめる。
手続きを前倒しする。
あの独特のスピード感は、
毎年見ていても印象的です。
では、旧正月をひと区切り越えたいま、
何が見えてきたのでしょうか。
「きれいにしてから休む」という文化
旧正月前に案件が集中するのは偶然ではありません。
香港では、旧正月は単なる休暇ではなく
“本当の年越し”という感覚が強くあります。
未回収を残さない。
未決事項を持ち越さない。
支払いを済ませておく。
合理性というより、
「区切りを大切にする文化」が背景にあります。
だからこそ、旧正月前は自然と全体のスピードが上がる。
これは制度ではなく、文化の力です。
実際に起きていたこと
旧正月前の数週間、
銀行は混み合い、
政府手続きは前倒し希望が増え、
会計・監査関連の問い合わせも集中しました。
ボーナスやダブルペイの支給、
取引先への精算も重なり、
キャッシュの動きも活発になります。
在住していると分かりますが、
街は華やかでも、実務の裏側はかなり忙しい。
そして、旧正月を越えると一度静かになります。
しかし、それは“止まる”のではなく、
“切り替わる”時間です。
明けて見える変化
旧正月明けは、
人材の動きが出始め、
新規案件の相談が増え、
企業の意思決定も再開します。
いわば、リセット後の再スタート。
旧正月前に整理し、
旧正月で一度区切り、
明けてから新しい流れに入る。
このサイクルが、香港ビジネスのリズムです。
日本企業が意識したいこと
日本企業は1月を「始まり」と捉えますが、
香港では旧正月が実質的なスタートラインになることも少なくありません。
このリズムを理解していないと、
「なぜ急ぐのか」
「なぜ今止まるのか」
「なぜ明けてから動くのか」
が読みづらくなります。
香港での実務は、
カレンダー以上に“文化の区切り”に影響を受けています。
おわりに
旧正月前の慌ただしさを振り返ると、
香港の本質が少し見えてきます。
この街は、
ただスピードが速いのではありません。
区切りを力に変える都市です。
整理し、走り、切り替え、また進む。
旧正月を越えたいま、
香港のビジネスはすでに次の局面に入っています。
このリズムをどう読むか。
そこに、実務のヒントがあります。

