名刺交換より先に始まる会話。

香港で感じる「距離の縮め方」の違い
日本から香港へ来られたお客様と一緒に商談へ向かうと、時々こんな感想をいただきます。
「香港の人って、最初から距離が近いですね。」
確かに、日本とは少し違う空気があります。
もちろん礼儀はありますが、香港では初対面だからといって必要以上に堅くなることは少なく、自然な会話から関係が始まることが多いように感じます。
仕事の話をする前に、「香港は暑かったでしょう」「昨日はどこへ行かれましたか」といった何気ない会話が続き、気がつけば笑いながら話していることも珍しくありません。
住んでいると当たり前になってしまいますが、日本から来られた方にとっては、この距離感は新鮮に映るようです。
まずは「人」を知るところから
香港では、商談が始まるとすぐに本題へ入るというよりも、まずは相手のことを知ろうとする空気があります。
どんな仕事をしているのか。
日本のどこから来たのか。
香港には何度目なのか。
そんな雑談を交えながら、お互いのことを理解していきます。
日本では「雑談は短めに」という場面もありますが、香港ではこの時間が信頼関係をつくる大切なプロセスになっています。
実際、商談の成否は資料の完成度だけではなく、「この人と一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるかどうかも大きなポイントになります。
会食やコーヒータイムも仕事の一部
香港では、打ち合わせをレストランやカフェで行うことも珍しくありません。
昼食を食べながら話をしたり、夕食を兼ねて意見交換をしたり。
オフィスの会議室では少し話しづらい内容でも、食事をしながらだと自然と本音が出てくることがあります。
以前のブログでもご紹介したように、香港では会食もビジネスの大切な時間です。
「食事をする」というより、「関係を築く時間」と考えたほうがイメージしやすいかもしれません。
だからこそ、一度の商談で結論を急ぐのではなく、何度か顔を合わせながら信頼を深めていくケースも多くあります。
スピード感も香港らしさの一つ
もう一つ、日本との違いを感じるのが連絡の早さです。
商談が終わると、その日のうちにメッセージが届くことも少なくありません。
「今日はありがとうございました。」
「先ほど話した件ですが……」
そんなやり取りが、WhatsAppなどを通じてすぐに始まります。
メールだけでなく、チャットツールを積極的に使う企業も多いため、意思決定や情報共有のスピードは日本より早く感じることがあります。
もちろん、すべてが急ぐわけではありませんが、「早く返事をする」「まず動いてみる」という文化は、香港で仕事をしていると日常的に感じます。
日本企業だからこそ評価されること
一方で、日本企業には香港で高く評価される強みもあります。
約束を守ること。
丁寧な仕事をすること。
品質に妥協しないこと。
こうした姿勢は、香港でも信頼につながっています。
実際にお客様からは、「日本企業は安心して仕事を任せられる」という声を耳にすることも少なくありません。
だからこそ、日本らしい誠実さを大切にしながら、香港らしいスピード感やコミュニケーションにも少し慣れていくことで、ビジネスはよりスムーズに進みます。
違いを知ると、仕事はもっと面白くなる
海外で仕事をする面白さは、制度や法律だけではありません。
「人との接し方」や「仕事の進め方」にも、その土地ならではの文化があります。
香港で働いていると、「そういう考え方もあるのか」と感じる場面がたくさんあります。
日本とは違うから難しいのではなく、違うからこそ学べることがある。
そんな発見が、香港で仕事をする魅力の一つではないでしょうか。
私たちKYI Accounting & Consultingも、会計や税務だけでなく、現地で実際に仕事をしているからこそ分かる香港のビジネス文化を、これからもこのブログでお伝えしていきます。


